土・炎 窯たき その1


  〜竜合窯にて〜 


陶芸家は、孤独だ。
一人、黙々と、長い時間が続く。
土や灰作り、練る、ろくろ引き、削りだし、、、
作っては、壊し、土に戻して、また作る。
ひたすら、自分と向き合う。

ところが、これが、窯焚きになると、一転する。
私は、自分のガス窯を、一人で焚いていたけれど、
時々、穴窯のお手伝いを、させてもらっていた。
穴窯は、土とレンガでできた、巨大なナマコ状の窯。

窯主さんを中心に、出逢った同志が、ひとときの家族になる。
6日間だけの大家族。
出入りも含めると、6〜10人。延べ20人になる時もある。

台所と窯たきと、両方の切り盛りのサポート。
連係プレーもとても大切。
ごはんは、みんなの一番の楽しみだから。

炎と向き合う、年に一度の、大イベント。

薪を運ぶのは、バケツリレーで、全員並んで、ホイホイと渡すと、早い早い!
もう声かけだって、遠慮していられない。
初対面なんて、年令なんて、関係ない。

頼み頼まれる中で、お互いに、技量を、探りあう。尊重しあう。
短時間で、わかっていくために、どんどんつながる。
私から、声かけていく。

はじまりは、窯の火入れ。
神聖な気持ちで、整列し、心をひとつにする。

これから、昼夜3交代制での、炎の固まりとの、ガチンコの時間が始まる。
私は、この細いからだで、いつも志願するのは、夜の当番。
夜12時〜朝8時まで。
とはいっても、結局、ほとんど仮眠3〜4時間以外は、ずっと窯のそばにいる。
昼のみんなのたわいもない話を、疲れたからだで、ボ〜ッと聞いているのが好き。

夜は、長い時間、2人で静かに窯番をする。
15分おきに、薪をくべる。
薪のはぜる音と、風の音、どこかで動物の動く気配。
昼よりも、炎の色が、周りの闇との対比で、さらに美しくなる。
このまま、ずっとずっと、この夜の時間の中に、浸っていたい。
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